11月11日付のスポーツ記事によると、さきのラグビーワールドカップで大活躍した日本代表の中村亮土選手は、大会を振り返って「楽しかった。緊張せずにやれた」と語る一方、大会期間中に円形脱毛症になり、またなかなか寝付かれず睡眠導入剤を服用していたそうで、「どこかで自分に制限をかけていた。体は正直なんだと思った」ともコメントしています。

 

「体は正直」というのは、一流のアスリートに限らず、普通の日常生活を送る私たちにも当てはまります。

 

例えば、仕事や家事、育児、人間関係など、日々の生活の中で受けるストレスが、意識的にせよ無意識的にせよ抑圧され続けた場合、その抑圧されていたストレスが、「体の症状」として姿を現すということは、臨床の場ではとてもよくみられることです。

 

体は言葉を発することができないので、「症状」を出すことでしか訴えることができません。言ってみれば、「症状」というのは体からの悲痛な叫びです。

 

ところが、理性のレベルでは「症状」は厄介なものでしかないですから、その本来の意味など考えずに一刻も早く除去しようと考えます。(程度の問題もありますから、応急的に和らげた方が良い場合ももちろんあります。)

 

しかし本能のレベルからすればこれは「訴え棄却」のようなもので、「違うんだ!もっとよく聞いて!わかってほしいんだ!」と、棄却されまいと粘るか、棄却されても繰り返し言葉にならない叫びを訴えてくるかもしれません。

 

このようなとき、中村選手のように「体は正直」と考えることができれば、体からの声に耳を傾け、症状の持つ意味を理解しようとすることで、理性のレベルよりもっと深いレベルにある「本当の気持ち」に近づくことができるでしょう。

 

そこにたどりついたとき、「症状」は、頑張って除去しようとしなくても、体の方からその訴えを取り下げてくれるかもしれません。

 

 

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